僕がずいぶん前に、仕事で外注先のそれまた外注先の企業(埼玉にある倉庫屋さん)に訪問した時の話しです。
そこで、うちから倉庫屋さんに入れる荷物を仕分けしてもらったり、他の物と組み合わせて梱包する仕事をお願いしていました。
ところが、ここに入ってくる荷物の数量が合わない合わない。前工程の業者がしくじってロット管理がズタボロでした。書いてある数量と実際の物の数が合わないのです。そこの社長からはこれじゃあ、次から次へと検品したり手戻りが発生する事になるので時間もかかるし、約束の納期には間に合わないですよ。との事。
これはこちらから送付した荷物の中身の不備なのですから、仕方ないかな。と思いました。数が合わないって、倉庫屋さんがいかにも、嫌がりそうな最悪な状態ですよね。
ところが、うちの外注先の企業がそれを許しませんでした。「取り敢えず、あるもので作業は進められるでしょ。足りない分は避けといて。」記録とかいいから、数が合うものでどんどん進めちゃってよ。もう、間に合わなくなるからさ。との事。
結局、その社長は最後まで折れる事なく、員数チェックと不一致の履歴は全て記録する、不一致があったらそのロットは全部再点検だ。と、一歩も譲りません。
後で聞いたのですが、この社長、30年間倉庫屋をやってきたそうで、長年作業者には員数チェックと不適合品の記録、再点検というのは徹底的に教えて基本動作にしているのだそうです。ここへ来て、この仕事に関してはやらなくてイイヨ。とは、言えません。何故なら今まで苦労して作ってきた工程を崩す事になるし、作業者のモラルの低下が、この一回のスポット作業の為に会社にとって大きな損失となるから。なるほど、このリーダーは30年間、ブレずにここまでこの作業のやり方を貫いてきたんだなー、と感心したのをよく覚えてます。
僕が勤める会社でも色々なルールや禁止事項があります。これらを、例外的に破らなければならない時もあるかもしれませんが、この社長の言い分を聞くと、ルールを、破る事に少し抵抗を覚えました。そう、これはポリシーというやつですね。
こういうのって、頭が堅いとか思われてしまうかもしれませんが、冷静に考えるとやっぱり守らなければならない、大切なモノってあるんじゃないかなー。と、当時強く思いました。事業のコアコンピタンスに関わる事であれば、その一時的な損失へのリスクよりも、もっと根本的な何か?を失いかねない事に対するリスクを考慮しなければならないのです。
皆さんの会社や組織ではルールは形骸化してませんか?今一度、ポリシーが守られているのか?再点検してみてはいかがでしょうか?特に、部下を持つリーダーや、管理職の方には必見の内容ですぞ!
ではまた。
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