第三次AIブームについてakasatinaなりに考えてみた
2年前位から私の母校のAIを専門に研究しているラボが主催しているセミナーや、研究発表に顔を出すようにしている。もっとも、最近は応募人数が増えており、抽選で落とされる事も多々あるが、、、
AIとは何か?AIの概要と動向
人工知能の略称で簡単に言うと何かをAIにインプットするとその答えを返してくれるのがAI。正解を導き出すロジックは元となるBIGデータ(教師データという)をベースに導き出すわけだ。教師データとお題のデータは全くの同一正解があるとは限らない。例えば画像認識のAIでは膨大な教師データがあったとしても、全く同じ画像などあり得ないのは容易に想像が出来るだろう。しかし、答えを知りたい対象となる画像には色々な特徴やクセがあり大量の教師データとお題の特徴を瞬時に照らし合わせかなりの確率で正解を導き出すのだ。勿論100パーセントとまではいかないが、良質な教師データが豊富であればあるほど、その正解率は高い。
この技術はかなり前からあったのだが、かつてはコンピュータの性能の限界で実用的ではなかったのだが、技術進歩によりこの技術が見直され実用されるようになったのである。最新技術の恩恵によりかつて実現困難だった人口知能技術が実用段階になり、今のブームがまきおこっているのだ。
上記は画像認識を例に出したが、他にも自然言語処理とかも注目されている。世の中のありとあらゆるものにAIが活用され、仕事がなくなるのでは?と、不安を感じている人も多いでしょう。よく勘違いされがちなのがAIとはまるで人のような意思をもったロボットみたいなのをイメージ(よく強いAIと例えられる)される人が多いと思うが、実はこれはまだまだ実用段階には程遠い。AIが囲碁の世界チャンピオンに勝ったとか、ニュースで騒がれるが、今ブームになっているAIはある何かを専門に学習した特化型のAIとなっている。(よく弱いAIと例えられる)
導入する?しない?の判断は?
さて、このAIに踊らされている世の中の企業や経営者達に警告しておきたい事が一つだけある。優秀なAIを、導入するのは簡単だ。ソースもオープンになっているし、誰でも簡単に入手は出来る状態です。カスタマイズは必要ですが、、、ただ、当たり前ですが、冒頭に書いた膨大で良質な教師データを覚えさせる必要があります。教師データというからにはいい加減なデータが混入していると正解率も下がります。想像が付くとは思うが、実はこの泥臭い作業を既に持ち合わせている人とそうでない人で導入までのプロセスが大きく変わります。もってる人と言えば、分かりやすく言うとamazonとかGoogle、Apple、microsoftといった外資系の企業が滅法強いのです。AIはあくまで手段。目的と手段がすり替わらないよう注意しよう!導入が目的になっている企業も多いのでは?
AIに関する今後の課題。AI活用には向き不向きがある
教師データの正解が不変のものとそうでないものがある。動物や植物などはあまり変わる事はないでしょう。医療現場においては人の病状や内臓の位置とかも個人差は多少あるものの、基本は変わらないでしょう。言語についても基本的な単語や語句、文法は変わらないでしょう。でも、企業が開発した製品や人が作り出したものはどうでしょう?流行やトレンドで変わっていきますよね。例えば、ルールや法律も少しずつ変わっていきますよね。そうです、当たり前ですが、何でもかんでも、AIで出来る訳ではないのが実体です。変化の激しいものをAIに覚えさせるには教師データのメンテナンスが現実的に追いつかないのではないか?よく考えてみてください。導入までは出来た。だが、その後のメンテナンスにかかるランニングコストは扱うモノ次第で大きく変わるし、根本的なルールや法改正とか外部要因により、これまでせっせと貯めてきたビッグデータが一瞬にしてゴミになるリスクもあるのです。
まとめ
今、世間ではAIが騒がれてます。また、導入に前向きな背景には出生率低下による少子高齢化=働き手不足、働き方改革法案可決(2019年4月施行)とか、経営者達は世の中の変化や自社が今後向き合わなければならない課題に焦ってます。だからと言って、藁にもすがる思いでAI、AIと導入ありきで考えるのは早計です。見方を変えると投資に前向きな企業に対し、AIを餌にビジネスチャンスをうかがっている企業もたくさんいるはずです。一度、冷静になってはいかがでしょうか。今のブームはもう少し続くでしょう。では、いつこのブームは終わるのか?恐らく一通り、特化型として有効活用される分野に出回り、市場を食い荒らしたところで一旦収束するでしょう。ビッグデータがあるのか?無いならどう作るのか?導入後のメンテナンスは?等、導入が有効かどうか?を冷静にジャッジ出来るコンサルやサイエンティストの手腕が問われますね。
[btn class=”rich_blue”]カテゴリーTOPはコチラ[/btn]
コメント